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2014年4月20日 (日)

「忖度という論理」

「忖度という論理」

山口二郎・法政大教授

憲法を守ろうという集会に対して、自治体が施設利用や後援を拒否した事例が相次いでいると、本紙は報じている。
憲法施行の日が国民の祝日とされているわけで、憲法を守ろうと主張することが政治的主張だとは思えない。
しかし、自治体は保守系の地方議員や団体から抗議されると面倒だと思って、その種の集会との関わりを避けているのだろう。
長野県内では、ダウン症の男児が新入生の学級写真から外されるという事件があった。
校長がほかの父母から苦情が出るかもしれないと母親に言い、母親の意向でその子が一緒に写るものと外れるものの二種類を撮影することになったそうだ。
他の親が障害児と健常者は違うという差別意識を持っているかもしれないと忖度(そんたく)し、その母親にそのような空気を読むように仕向けたものと思える。
一連の出来事に共通しているのは、有るか無いかも分からない空気を勝手に忖度し、面倒を避けることを最優先する公職者の態度である。
憲法が自由や平等を高らかにうたっていても、それがひとりでに実現するわけではない。
公職者、さらにはわれわれ市民が、自由を守り差別を許さないという行動を実践し、くだらない雑音が出てもそれをはねのけることが必要である。
声高な改憲論よりも、卑怯な忖度が憲法を堀り崩す。
*2014.4.20 東京新聞「本音のコラム」より
*読みやすいように改行だけさせてもらいました。

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